「パパ、あの雲何に見える?」
「どれどれ、うーん、何って言われへんなぁ。青い空と白い雲にしか見えへんなぁ。」
「青はね、白い鳥が空を飛んでるように見えるんだよ。」
毎日毎日見ている空。
今日は青空が綺麗だな。とか、夕日が綺麗だな。という感覚はあっても
子供たちのように何かの物体に見えたりすることが大人になってから無いなぁと思った。
でも、確かに自分も子供のころに白い雲が何かの形に見えていた。
そして夢中になって何かの形をした雲を探した。
そんなごく身近な自然という芸術を鑑賞していない最近の自分に心の豊かさが消えてしまっているのではないかと思う。
「ねぇ、青。あの白い鳥はどこに行くんだろうねぇ。」
「お母さんの所に行くんだよ。迷子になってお母さんを捜してるんだよ。」
「ふーん、そうなんや。早く見つかればええのになぁ。」
子供の創造力の豊かさ。それに勝るものはない。
「青。ありがとう・・・・」
子供たちから大切な何かを教えてもらった気がして、ポロッと口から言葉が漏れた。
どこにでもある普通の家族の親父と娘の物語
犯人はだれだ!シリーズ
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