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dogdeco HOME 犬と暮らす家の日記

犯人はだれだ! vol.31 小さな距離感。
ようやく長い夏が過ぎた。
そして、過ぎ去った暑い夏の日を思い返してみる・・・

この夏、長女の春とは言葉では言えない小さな距離感が生まれた。
言うなれば雛鳥が少しずつ羽ばたけるようになったものの
まだまだ一人で飛び立っていくには勇気がなく、
親鳥の目の届く範囲で羽ばたこうとする好奇心のようなもの。
それは、本人からしてみれば「もう一人で飛べるようになったよ。」ということを
言葉なしに伝えようとする行動であるように思う。

春が誕生して11回目の夏。
毎日毎日の積み重ねで10年と言う月日はあっという間に流れた。
大きな病気や怪我をすることもなく、すくすくと育ってくれたことに感謝する。
だけど、これからの10年はもっと大変なことが待っている。
ガラスのようにもろい心を持つ青春時代を過ごし、
世の中の一人として大きく羽ばたいてほしいと願う、ごくごく当り前な親の気持ちがあるからだ。

「なぁ、春。あんたはクラスの中で賢い方なんか?アホな方なんか?どっちや?」って尋ねたら、
「普通。」と答える。
「普通っちゅうのが一番アカンねん。何をやっても普通ってことやろ。」
「じゃあ、普通よりちょっといいぐらいにしとく。」
「それは二番目にアカン。何でもそつなくこなせるから要領だけよくなる。」
「それじゃあ、ダメな方がいいって言うの?」
「ダメってわかる人間は頑張るからなぁ・・・」
「夏休みのときにパパの実家で見たパパの通知簿は悪かったもんね。だからパパは頑張ったんだね。」
「人の話はどうでもええ。春のことを聞いてんのや。」

こんなに口達者になった春は最近では
親と遊びに行くよりもお友達と遊ぶことを選択するようになった。
そうして少しずつ大人ぶって男親の私とは少しずつ言葉を減らし、距離を保とうとする。
そんな春が夏休みにたくさんの親戚と会った際、まだ、ろくに挨拶ができないことを私は知っている。

「まだまだ子供のくせに・・・」私はそう呟きながら、
いくら距離感が広がっても今まで通り、見ていないふりをしながら、しっかりと見ておこうと思った。
ちっちゃな雛鳥が間違いなく、世間を羽ばたいていけるまで。
2010年、夏の終わり。
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どこにでもある普通の家族の親父と娘の物語 犯人はだれだ!シリーズ


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by dogdeco | 2010-09-26 14:07 | 犯人はだれだ!
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