昨夜は、
はけのおいしい朝市で購入した
中村商店さんのハタハタの一夜干しをいただいた。
身が厚く、脂も乗っていて、焼く前から確実に美味しいというのが分かる。
楽しみだなぁと思いながら魚を焼いていると問題に気付いた。4人家族なのにハタハタが5匹ということだ。
普通に考えれば残り1匹を分けるのが常識。
しかし私は香ばしい匂いに負け、イメージはどんどん膨れ上がり、
結局、「どうしても2匹食べたい。食べてやる。」と策を練ることにした。
私は絶対に2匹食べたいのだ・・・
思えば、私が幼いころは半端なくご飯を食べていた。しかも、男兄弟なので明らかに競争である。
それを分かっている親なら、お皿に取り分けて食卓に並べればそんな競争は無くなるが、
きっと子供たちが喧嘩しながらもガツガツ食べる姿は母親にとってうれしい姿だったのかもしれない。
なぜなら、戦時中に育った私の親の世代にとって家族でお腹いっぱい好きなものが食べられることは
きっと一番の幸せだったに違いないから。
「今日はお魚だね。」と無類の魚好き、次女の青は魚を焼く私に声をかける。
長女の春は美味しい魚は黙々と延々に食べ続ける。
嫁は魚の美味い土地で生まれ、「東京のスーパーの魚は食べられへんわぁ。」が口癖である。
間違いなく、魚が焼き終わった途端、競争になるのは目に見えている。
私は天井に上がる白い煙を見ながら、どうすべきかと問い続けたのである。
(つづく。)
どこにでもある普通の家族の親父と娘の物語
犯人はだれだ!シリーズ
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