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dogdeco HOME 犬と暮らす家の日記

犯人はだれだ! vol.27 反抗期。
「お前、ええ加減にせんかい!調子に乗んなよ!」
今朝、そう言って、長女の春の頭をぶってやった。

朝食時のこと。テーブルに肘をつきながら前かがみになってご飯を食べる春に
「肘ついてる!ちゃんとお茶碗持って食べんかい!できんのに何でせえへんねん。」と言っても、半分無視。
「聞いてるんやから、答えんかい?何でできんのにせえへんねや。」と再び聞くと、
「だって、だるいんだもん。」と言うので頭をぶってやった。
それを見ていた義父、義母は、やさしくフォローしてくれたが
「だるいってどういうことやねん!お前が行儀悪いことは自分のことやからどうでもええけど
食べ物を作ってる人、料理をする人に失礼や!そんなことを少しでも考えろ!」
そう言うと、春は泣いた。自分で悪いことをしている自覚はあるのだけど
親に反抗してみたくなる年頃がついに来たのだ。

実は私の母は私が2歳のときに亡くなった。38歳という若さで。
だから私には実の母の記憶が全く無い。
5歳離れた兄貴は7歳のときなので、相当ショッキングな出来事だったと思う。
そんなことを兄貴と話をしたのは私が30歳を越えてから一度きりだった。
「なぁ、兄貴は、ほんまのお母ちゃんのこと、覚えてんの?」
ボーっとしていて、その時、兄貴がなんて言ったかは覚えてないけど、
「お前も眼の病気には気をつけろ。おかしいと思ったら、ちゃんと病院行けよ。」と言ったことだけ覚えている。
母親は眼の裏に悪性腫瘍ができ、わかった時には、もはや手遅れだったそうだ。
それぐらい、私は実の母の記憶がないので、育ての母こそ実の母のように思い、育った。
やさしく、何でも許してくれる育ての母に私も反抗したことが何度となくあり、
そんな時に「お前、ええ加減にせんかい!調子乗んなよ!」と怒ってくれたのはいつも兄貴だった・・・

長男、長女は親からの期待が大きいだけにプレッシャーを持って育つ。
私もわかってるのだけど、ついつい春には厳しく接してしまう。それに気づいて、
「春。家族みんな揃ってご飯を食べられる以上の幸せは無いんやで。
ご飯を食べられるというのは健康と言うことや。わかるか?こんな幸せな時に泣いててどないすんねん。
わかったら早く食べて、今日はおじいちゃん、おばあちゃんとお買い物に行くんやろ。」となだめた。

一方、自分も怒られるのではないかと、
その一部始終をドキドキしながら見ていた次女の青。
静かに、ひたすらご飯を食べ続けているので、
「青。そんなに急いで食べんでもええ。ゆっくり食べ。」
私がそう言うと、お茶碗を見ていた次女の青が顔を上げた。
その瞬間、再び食卓に笑い声が響いた。
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どこにでもある普通の家族の親父と娘の物語 犯人はだれだ!シリーズ


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by dogdeco | 2010-05-04 12:42 | 犯人はだれだ!
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