また争いが 自然の猛威が 安らげる場所を奪って
眠れずにいるあなたに 言葉などただ虚しく
沈んだ希望が 崩れた夢が いつの日か過去に変わったら
今を好きに もっと好きになれるから
あわてなくてもいいよ。
※BANK BANDさんの「to U」より抜粋 作詞:桜井和寿さん
16年前の今日、阪神大震災を経験した。
地鳴りとともに激しく縦に揺れ、テレビは宙に舞い、棚に入っているものは
すべて外に放り出された。隣の部屋では兄貴が本棚の下敷きになっていた。
「大丈夫か!」何が起こったのか分からない。戦争か?いや、地震だ。
親父やお袋は大丈夫か?親戚や友達は?そして、日本は大丈夫なのか?
テレビをつけたけど当然映らない。
懐中電灯をつける。そうだ!ラジオがある。
ラジオをつけると関西で大きな地震と報道されている。
電話をしようと思うけど、電話がつながらない。
外の公衆電話には長蛇の列・・・
後輩が原付で家まで来てくれた。
「大丈夫でしたか?」「大丈夫や。みんな大丈夫なんか。」
「大学の連中がやばいんですわ。みんな大学の体育館で避難してるんです。
今から水とかおにぎりを持って行くんですわ。」
「俺も手伝うわ。」
途中、コンビニに寄り、食料を買おうと思っても、
コンビニの店内の食料品は完売で何一つ食料品が無い。
車の渋滞はひどいもので流通は完全にストップし、食料品を手に入れるメドもたたない。
171号線を通り、地震による道路の陥没で何度も回り道をした。
途中の西宮の住宅街はひどくて全壊の家ばかり。その前で泣き崩れるたくさんの人。
そして、甲南大学の体育館に着いた。みんな疲労と寒さで毛布にくるまって寝ている。
後輩が友人の名前を大声で叫ぶ。友人が見つかり、無事、水とおにぎりを届けられたけど、
家が残った私は彼にかける言葉が虚しく、何も声をかけられなかった・・・
もう、16年も前のこと。6000人以上の命が瞬時に奪われた日。
当時を思い出すだけで背筋が寒くなる。
だけど、伝えることが大切で、助け合うことが大切で、
家族はとても大切で、命とは尊いものだと感じる日でもある。
犠牲になった方々には忘れられない1日で何と言えばいいか言葉も見つかりませんが
今を素敵に生きて、早くあの忌まわしい出来事が過去に変わればいいと思う。
今日1日はずっとそんなことを考えて過ごしたいと思う。
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