開かずの踏切。
駅前の都市開発。
豊かな自然。
都市の中心部まで30分の距離。
実家の兵庫県川西市と現在暮らす東京都小金井市は何となく雰囲気が似てるなと
早朝、自然の中を走りながら、そう考えていました。
とくに今日の野川は川霧が発生し、朝の光と織り混ざってとても幻想的。
立ち止まって、しばし眺めていると子供の時の光景が頭に浮かんでくるのでした。
私の小学生当時の遊びと言ったら、学校から帰ると知らず知らずに年の差関係なく、
近所の悪ガキどもが集まって、「今日、何する~?」とか言いながら、
作戦を立て日が暮れるまで遊んでいたものでした。
その遊びの定番メニューの一つがザリガニ捕り。
場所は家の近くの大きな倉庫の裏にあった畑の水路。
その水路は自然のままに放置されていてザリガニがめちゃくちゃいた訳です。
しかし、その場所でザリガニ捕りをするには大きな問題がありました。
まず、決死の覚悟で有刺鉄線の柵を乗り越えなければならず、
しかもそこに突如現れる通称 畑のおっさんと呼ばれるめちゃめちゃ怖いおっさんがいたことです。
じゃあ、どれぐらい畑のおっさんが怖いかと言いますと、畑に入っているところが見つかれば
「コラーッ!お前ら!また畑に入っとんのか!ちょっと待てー!」と叫びながら、
鉈を片手に、100メートルほど先にある畑の駐車場から私たちを捕まえようと鬼の形相で猛ダッシュ!
ストップウォッチを持っていたわけではないですけど、きっとそのスピードは10秒フラット。
(子供の時だから、大人の全速力の体感スピードがめちゃくちゃ速かった!)
要するに私たちは、畑のおっさんに見つかったら10秒以内に有刺鉄線の柵を乗り越えて逃げなければ
畑のおっさんに捕まり、鉈で体を痛めつけられるぞ!と思うほどに怖かったのです。
とは言え、私たちの目的は畑のおっさんに悪戯したり、畑を荒らすことではなく、
水路にいるザリガニを何匹捕まえるかと言うことが目的ですから、
子供ながらに知恵を振り絞り、システムを考えていったのです。
年長者のA君はめちゃめちゃアグレッシブにザリガニを捕る係。
もうひとりの年長者B君はスピーディかつ的確にA君に網を渡す係。
私は捕まえたザリガニをかごに入れ、持ち歩く係。
年少者のC君とD君は2か所に分かれて、畑のおっさんを見張る係。
よしっ!と言いながら全員が顔を見合わせてニヤけます。
完璧!笑ってしまうほどに・・・
畑のおっさんは1日の内に何回か畑に顔を出しますが、いつ来るかわかりません。
畑のおっさんの軽トラが駐車場に現れるとすぐにC君とD君はこう叫びます。
「畑のおっさんが来たぞっ!逃げろー!」
やはり、私たちのシステムは完璧。
いつも身軽にひょいっ!と有刺鉄線の柵を乗り越え、
家の近所まで戻って、ふーっと胸を撫でおろしながら、「イェイ!」とハイタッチをするのです。
②につづく。
野川の風景。
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