昨日、娘たちの個人面談があり、嫁が小学校に行って二人の娘の面談を一気に終え、
パソコンと向き合う私にやや疲れた様子でしゃべり始めた。
「あのな、春は授業に集中せんと、仲の良い友達としゃべってることが多いんやって。どう思う?」
「ふーん。そうなんや。」
「青はなぁ、授業中にボーッとして、先生の話を聞いてへんのやて。大丈夫かなぁ?」
「へぇー。そうなんや。」
「アンタ、話聞いてんの?」
「聞いてるやん!ほんなら逆に、春と青がめちゃめちゃええところは何なん?先生は何て言うてた?」
「それは聞いてへんなぁ。」
「ダメなところは知ってるやん。ええところを伸ばしたらなアカンのちゃうの?」
「あっ、そや!春は画力がすばらしいっ!て言われて、青は絵を描くとみんなが集まって来るって。」
「それやん!それをどう伸ばしていくか相談せな。そやけど、二人とも得意なのが図工って。
算数とか、国語とか、理科とかじゃないんか?誰に似たんやろ?」
「アンタやん・・・」
長女の春は、この夏からラブラドールのハナが愛用していたマットを敷布団代わりに
リビングで1人で寝るようになった。我が家には子供部屋らしきものがあるにはあるけど、
そこは家族全員の寝室も兼ねていて、今まではそこで4人並んで寝ていた。
春が1人で寝る理由は親が煩わしかったり、実際に狭かったりと言うのが理由だし、
そのせいで夏は本当に暑くて、「4人並んで寝ると暑いから寝れないの!」と春は言ったけど、
秋になっても、冬になってもそこで寝るのがよいらしい。
その理由は私も嫁も知っていて、春は夜中にトイレに行くふりをして、
私と嫁と青が寝静まっているのを確認し、寝ていればこっそりとペンライトを点け、
大好きな漫画を読むのだ。
この1年、特に長女の春には変化があったように思う。
少しずつ自立しようとする心が芽生えたり、自分が好きなもの、嫌いなものなんかがはっきりしてきた。
次女の青も少しずつ苦手な勉強を頑張りつつある。
そして、私は時に自分に似ながら育つ娘たちを可笑しく思う。
春が早く寝た夜には、「あの子らはどんな大人になるんやろね。」と嫁が言う。
「出会う先生や友達で決まる。」と私は言う。本当に未来のことはわからない。5年先もわからない。
でも近々、長女の春は来春入学する中学校の制服の採寸をしなければならない。
そんな現実と向き合いながら、何故今ここにいるのかって深く考えこんでいる。
お酒を飲みながらの夜はそんなもんか・・・
ハナが生きてたら今15歳になるよ。ここにいるのはハナがすべてなんだよ。
たまにはハナの思い出話でもしたいね。
20歳を超えたら話すか。覚えときなよ。お酒でも飲みながらね・・・ねぇ、春。ねぇ、青。

2008年12月、当時の3姉妹。
どこにでもある普通の家族の親父と娘の物語
犯人はだれだ!シリーズ
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